2005年7月、いよいよ熊と対決だ!
★2005年7月1日(金) [Williams Lake→Prince George] 9時半、出発。気温13度と肌寒い。
11時、Kersteyの手前で給油する。
生まれて初めて、タイヤの空気圧をチェックする。
※でも説明書によると、タイヤが冷えているときに計るべきだと。こういうのは先に読まなくちゃだな。
生まれて初めて、エンジンオイルのチェックをする。実は、あまりよくわからない。
11時半ごろ、前方の雲が鉛色でどんよりと重く垂れ込めていたので、雨を警戒してカッパを着るために緊急停止。
とたんに雨が降り出す。
義裕、誠にいい勘である。
Quesnel手前で、超豪雨。
しかも霰が降る。っていうか、落ちてくるっていうか、叩きつけられる。…感じ。とにかく強烈。
ハンドルを握る手に霰があたって痛すぎます!
ツラいので、レストランに緊急退避する。
ずぶ濡れの僕らを見て、客の全員が笑う。
空模様を眺めながら、そのまま早めの昼食をとる。
明るく話しかけてくるウェイトレスの女の子は、悪い子ではないと思うのだけれど、うっすらと髭はあるし服は汚れているし、ふくらはぎが硬そうだし、雑な性格ではないだろうか…と考えながら食事をする。
13時半、Hixonで給油する。
ガソリンメーターの最初の目盛で、40mile(63km)走ることを確認する。
こういう事は大事である。
実はこのスクーターは、ガソリンが少ししか入らない。
よく外人バイク野郎から燃費を訊かれるけれど、満足に答えられないのがとても歯がゆい。
15時ごろ、インフォメーションセンターに寄って、ネットカフェへ行く。
雨が強くなってきたので、キャンプを諦め、モーテルにチェックイン。
※このモーテルに数日滞在することになるとは、想像もしていなかった。ホント…。
ここのワイヤレスインターネットは、1時間1ドル。
でも実際には、2時間以上使えます。
本日の走行距離、151.6mile(244km)。
17時ごろから、陽が出てきた。
チクソー、キャンプが出来たカモ。
青空が広がってきた。
ものすごい青空。
あー、ホントにいい空である。
ところで、バイクに異音あり。
どうしたんだろう?
故障?
★2005年7月2日(土) [Prince George]
朝、しとしと雨。
鉛色の陰気な空模様。
なんとなく、ぐだぐだと出発を延期する怠惰な僕ら。
祐子、反省するかのようにホームページ作りに精を出す。
義裕、特に反省することなく、『峠』の下巻を読み始める。
祐子、『最後の将軍』を読み終える。
カップめんをコーヒーメーカーのお湯で食べるが、麺がやや硬いまま。失敗。
バイク屋を電話帳とホームページで探すが、もう夜で遅し。滞在延長。
1日中、雨、曇、豪雨、雨、曇…。
★2005年7月3日(日) [Prince George]朝から、電話帳とネットでバイク店を探す。
この先は大きな街がなさそうなので、ここでバイクのメンテナンスをしておかなくちゃ。
日曜日営業のお店を見つけて、すぐに依頼に行く。バイクを預ける。
滞在延長決定。
この辺、熊が出るらしい。
本当だろうか。
午後、読書とホームページ作り。
この辺りには、レストランがほとんどない。
しかも今日は日曜日なので、昼も夜もハンバーガー。
モーテルの自動販売機でジュースを買って、小銭が詰まっていたのでいじくってたら、1ドル25セント増えた。
小さな幸せ。
★2005年7月4日(月) [Prince George]朝からバイク店からの電話を待つが、全然連絡なし。
結局、バイクの引き取りは、明朝になる。
滞在延長決定。
今日は読書とホームページ作り。
ロサンゼルスの、僕らと同じ店でバイクを購入したダブルMOTOより、メキシコからメール来る。
暖かいメキシコがうらやましい。
ここは毎日、雨。
モーテルの親父より、味噌ドレッシングの作り方を訊かれる。
近所の日本食レストラン「鈴蘭」のスペシャルドレッシングを真似て作りたいらしい。
早速食べに行って調査する。
義裕調べでは、マヨネーズとお醤油です。
教えてあげたけれど、信用してなかったな、あの顔。
ここは、退屈な街です。
★2005年7月5日(火) [Prince George]バイク店から、朝9時の約束の電話が来ない。
バイクが戻ってこない。
ひたすらじぃーっと、電話を待つ。
催促の電話をしても、2時間後と言われるだけ。
夕方遅くに電話すると、明日の朝9時と言われる。滞在延長決定。
もうここに5泊。
8月23日の青木さんとのシカゴランデブーが難しくなってきた。
お金がもったいないので、夕食はさばの缶詰とパン、インスタント味噌汁、りんご。
★2005年7月6日(水) [Prince George→Chetwynd]
やっぱり朝、バイク屋から連絡がない。
11時半ごろ、待ちきれずタクシーでアポ無し訪問する。
留守なので、しばらく待つ。
彼が戻る。行き違いだった。人生とは、こんなもんかね。
修理代金270ドルと高額。
しかたないよなぁ。
でも久しぶりに出発できて嬉しい。
1時20分出発。気温22度。
おおむね晴れ。
けれど、やや寒い。
ガソリンスタンドが少なくなってきた。
100mile(160km)間隔ぐらいになってくる。
今日は昼食抜き。
今晩のキャンプ場は、とても広くて綺麗。薪は無料。
しかもキャンプ場の人が、テーブルセットや薪を集めてわざわざ持って来てくれた。親切。
初めてストーブを使う。どうしても、とろ火ができない。
ごはんが、うまく炊けない。
※後日、違う型の商品を買っていたことが判明する。
お隣さんは、スイス人の男性二人。
夜の12時まで、新婚生活からスイスの政治経済まで、幅広く話しあう。
アラスカからの帰りには、フェリーを使う案が浮上。景色がよくて、なにより早くて楽チンだけど運賃が高い。悩みどころなり。
本日の走行距離、195.3mile(312.5km)。
★2005年7月7日(木) [Chetwynd→Prophet River]朝6時半起床。
さぁ、今日はたくさん走るぞ…と意気込む。。
まずは、シャワーで清潔に。
そして、義裕靴下2枚重ね(写真参照しても参考にはならないね)で慎重に寒さ対策。
キャンプ場内の公衆電話でネットの接続を試みるが、出来ず。
公衆電話でうまくいったことなし。
9時10分出発。気温21.9度。
午前中、風強い。
9時50分、Groundbirchで給油。
12時、Dawson Creekで給油。
12時50分、昼食、給油。
15時30分、Pink Mountainで給油。
風に煽られて、センターラインを大きくはみ出す!
超危険!
路肩に突っ込みそうになることしばしば。
超危険!死ぬで、おっさん。ってな感じ。
ネットカフェで素早くメールチェック。
僕らと同じ4月から旅に出た野福氏より、メキシコからのメールもらう。
この人のホームページは、完成度高し。すごいもんだす。
あー、メキシコがうらやましい。
陶芸家の伊藤氏よりメールもらう。
ミミンガーのメールより、クニさんの蕎麦屋開店を知る。
17時30分、Prophet Riverで給油して、キャンプ。
夕方、暖かい。
キャンプ場、小さい蚊が多くて迷惑、不愉快、痒い。
祐子は、モスキートネットを着用。
義裕は、フードを被って軍手着用。
今日はスパゲティ。
その茹で汁を使ったワカメのスープ。
食後、蚊を避けてすぐにテントに避難する。
本日の走行距離、295.9mile(473.4km)。
★2005年7月8日(金) [Prophet River→Liard River]9時20分出発。気温16.4度。
風がなくて、嬉しい。
10時半、Fort Nelsonで買出し、ネット(15分4ドルとはぼったくりだよなぁ)、給油、これからのガソリンスタンド調べ(地図掲載より実際にはたくさんあるので安心する)、12時出発。
今日から景色が変わる。
広い川に沿った道は、いかのも熊が鮭でも捕まえていそうな気配が濃厚(左の写真はそう感じまへんけれど)。
冷たい厳しい風の山、雪が残るものもあり。
車道に鹿(?)を数頭見る。
Liard Riverの手前から、舗装なし。
ダートは、運転しにくい。転倒の危険あり。
肩に力が入る。
食後、8時ぐらいから雨。
テントで読書。
祐子はロビーでパソコン。
やはり、蚊が多い。どんどん刺される。
テントに侵入した蚊を叩き潰したら、テントのネットに血がべっとり。
そしてその衝動でコーヒーをこぼす。
この血やコーヒーの匂いが、いつの日か熊を呼ぶのだろうか。
しかも、もう一匹いるんだけれど、見つからない。
…と思ってたら、発見。
玉砕。
…と喜んでいたら、またコーヒーをこぼす。
俺、頭が悪いかも。
本日の走行距離、230.9mile(369.5km)。
寝る前にまたコーヒーをこぼす。
馬鹿は、人より疲れる。
★2005年7月9日(土) [Liard River→Rancheria]朝、雨。
出発を遅らせて、11時。気温17.4度。
キャンプ場より6mileほど、未舗装、工事中。
祐子は先導車に乗せてもらって、義裕があとから続く。
30頭ぐらい、バイソンを見る。
が、あまり感動なし。牛、馬を見るが如し。
Watoson Lakeで給油、図書館でネット、アラスカハイウェイのビデオを観る。 日本の真珠湾攻撃が道路を作るきっかけです。祐子、真珠湾攻撃のシーンが長くていたたまれない気分になる。
ぬかるんだ道にバイクのスタンドがめり込み、バイクが転倒する。
18時、Rancheriaのキャンプ場着。
雨の中、テント設営、食事の用意。
苦労してテントの中で食べる。
祐子、スープ味付けの際に手がすべり、非常識なほど胡椒を入れすぎる。
胡椒のためにカレー色した野菜スープは、とても辛い。
咽喉に悪いかも。インド人も泣くかも。
チャリダーたちは、雨が上がってから外でゆっくり食事をしている。
賢者である。
僕ら馬鹿組は、今度からは、雨が降っていたらなにもせず、雨上がり後に行動しようと反省する。
夜9時過ぎ、カフェでパソコンをしながら、濡れたジャケット類をさりげなく乾かす作戦。
今日から、冬のグローブ着用する。
明日から、ジャケットのインナーを使おう。
本日の走行距離、207.5mile(332km)。
ビーバークリークまで、あと1000キロを切る。
いよいよアラスカだ。
★2005年7月10日(日) [Rancheria→White Hourse]朝9時出発。気温15.8度。
9時35分、Swift Riverで給油。
Teslinで給油。
Johnsons Crossingのベーカリーで、シナモンバンズ、アップルパイ、チキン等を食う。美味い。最高。満点。特にチキンがいい。日本に出店したい。
2時半、White Hourse着。
毎日、雨ばかりだったので、今日はモーテルに泊まろうと思ったけれど、最高にいい天気なので、キャンプにする。
左は、湿った下着類を素敵に乾かす写真。
青空でモーテルは、損した気分になる。
Kanoupeopleのツアー料金とスケジュールの確認をするが、ガイド付きだと一人15万円。7月23日出発。
悩む。保留。
ネットで他も調べる。 向かいのテントの女の子は、日本人ではナイダロウカ?
悩む。
スイス人のクリスとスティッフに偶然再会。
義裕がモスキートネットを購入するが、なぜかここには蚊はいない。
本日走行距離、211.8mile(338.9km)。
この旅の総合距離5200mile(8320km)突破。
ここからビーバークリークまで、頑張れば1日。
そして、フェアバンクスまで、2日。
そこからが問題。
コールドフットまで400km。
デッドホースまで400km。
未舗装の砂利道を900キロ走れるのか。
400キロもガソリンスタンドなしで、たどり着けるのか。
このバイクは、タンク満タンで250キロぐらい走るのだろうか。
予備タンクが絶対必要である。
そろそろ買わなくちゃ。
★2005年7月11日(月) [White Hourse]気持ちいいので、このキャンプ場に連泊決定。
午前中、祐子に髪を切ってもらう。
左右のもみ上げの長さが違うが、いい感じになる。
それにしても、驚くほど白髪多し。
午後、ダウンタウンへ。
コインランドリーで洗濯、ネット、夕食の買い物。
義裕、少々仕事。
今晩のメニューは、チキンのアルミホイル焼き。
義裕の焚き火での遠赤外線焼きが成功し、美味しい。
カヌーツアーの件、悩む。
明日もここに泊まろう。
向かいのテントの女の子は日本人だろうか、悩む。
というより気になる。
★2005年7月12日(火) [White Hourse]向かいの女の子は、日本人だった。
しかもひとりで一週間も川下りをしていた。
あー、早くから声をかけて、カヌーのことを教えてもらうんだった。
ガソリンタンクと靴を購入する。
さぁ、明日は出発だ。
今晩のメニューは、なんちゃん直伝のひと鍋スパゲティとステーキ(3ドルで300グラム)。
ステーキは、初め強火でもっとしっかり焼いたほうがよかったようだ。
肉の旨みが、流れ出た気がする。
薪は自分で切るのである。疲れる。
★2005年7月13日(水) [White Hourse→Beaber Creek]朝8時半出発。
晴れ。
10時50分、Haines Junctionで給油。
13時、Destruction Bayで給油、昼食。
Beaver Creekのインフォメーションセンターで、今日、二組の日本人が通り過ぎたことを知る。
僕らの前に二組の日本人。
なんとなく興奮する。ほどなく、そのうちの一人にキャンプ場で会う。
カナダのハリファックスまで走るチャリダーの拓也君。。
なかなか二枚目の彼と夕食を食べながら、ビールを飲む。
彼の職場は、なんと新宿三丁目のふらての上のどんじゃか。勤続5年。爽やかな青年。
けっこう身近な人にあった気がして驚く。
世の中狭い。…気がする。
彼とは週に一回は、50メートル内にいた仲である。だからどうしたって言われそうだが。
彼のお兄さんの名は、龍馬。素晴らしい。一度お会いしたい。
夜、けっこうな雨。
本日の走行距離、276.9mile(443km)。
★2005年7月14日(木) [Beaber Creek→Tok]10時出発、気温12.9度。
雨。
今日は、アラスカへの国境越え。
12時45分、Tok着。
今日はここまでで、前夜拓也君に推薦してもらったキャンプ場にチェックイン。
給油、昼食、買出し。
夕食の仕込みをしていたら、豪雨。
キャンプ場のラウンジで、ネットをする。
ネットワークケーブルが2本もあって驚き。Macも使えて嬉しい。
本日の走行距離、118.8mile(190km)。
★2005年7月15日(金) [Tok→Fairbanks]9時15分出発、気温13.9度。
中南米に向かう日本人チャリダーとすれ違う。
声を掛けて、立ち話をして別れる。
11時30分、Delta Junctionで給油、昼食。
レストランが数件以上ある、そこそこに大きい街である。
夕方、Fairbanks着。
ここは想像以上に大きい街で、驚く。
しかも超暑い。
僕らだけが、厚着。完全冬装備。
スーパーで、ちろちろ日本人を見かける。
このキャンプ場は、街から離れているけれども、湖の横の芝生でテントが張れるので、とてもグッド。
ネットワークケーブル2本あり。
夕食は、巨大な鮭のムニエル。
バーベキューグリルを借りて調理する。
ガソリンストーブの節約。
本日の走行距離、236.5mile(378.4km)。
★2005年7月16日(土) [Fairbanks]
明日からの北極海攻めのため、準備と休息。
午前中、英文のインフォメーションを辞書を片手に読んだのだけれど、ダルトンハイウェイは想像以上にたいへんそう。
というより、僕の想像力の不足。勉強不足も隠せない。未舗装、砂利道、予備タイヤ2本、急カーブ、下り坂、上り坂、山脈越え、ぬかるみ、砂地、穴、熊地帯、等々…。
片道3日の予定で、1週間分の食料を買出しに行く。
砂利道を1日300キロも走れるだろうか。
時速30キロで10時間、休憩入れると、11時間。それを一週間。死ぬかも…。
事務所には、一週間の夏休みをとるとメールしておこう。
念のため、予備ガソリンタンクをさらにひとつ購入 する。
夕食は、しめやかに肉じゃが。
ただ肉の量が多すぎる(パックがでかい!)のが、今後の課題である。
食後、祐子はネット。
義裕は、司馬遼太郎の『花神(上)』。
『峠』より好きな作品がこれである。
再読するのをずいぶん楽しみにしていた本。
それにしても村田蔵六は、いい。
★2005年7月17日(日) [Fairbanks→Arctic Circle] 午前中、北極攻めの最終準備をする。
テント、寝袋、一週間分の食料、ガソリンタンク他、必要最低限の荷物だけにして、残りの荷物はキャンプ場に預ける。
パンクの修理キットをもうひとつ追加で購入する。
これで10回くらいパンクしても大丈夫さ。
一回も使ったことがないけれど…。
気温が26.2度もあって暑いのに完全冬装 備、しかも靴下2枚重ねの万全体制で、12時10分出発。
ダルトンハイウェイに入ってすぐに、食い散らかされた鮭を発見し、興奮する。
なんて素晴らしいスタートなんでしょう!
その興奮が冷めやならぬ内に、早くも熊との第一種接近遭遇! なのに熊君は、僕らに一瞥をくれながらゆっくりと道路を横切って、そのまま森に消えてしまい、残された僕らはなんとなく寂しかったです。
その後、すれ違ったゴールドウィングの外人から、『ぬかるみに気をつけろ!』とメッセージを頂戴する。
4mile(6.4km)の舗装道路のあと、とうとうデンジャラスな10mile(16km)ぬかるみ道になる。
時速10mile(16km)以下のスピードでも、タイヤがずるずると滑って、とても運転しにくく転倒の危険度特大。
一度、祐子を降ろして歩かせたけど、泥道をひとりでとぼとぼ歩く祐子は、なんだか哀れで…。
可哀そうなことをしたかも…。
17時30分、FiveMileで給油。Milepost90から舗装道路になる。
FingerMoutainで休息していると、老人に『ぬかるみはたいへんだっただろう』と笑われる。
後続の車の中から、見ていたらしい。
僕も力なく笑う。
19時30分、Arctic Circle着。 目的のキャンプ場は、なぜか閉鎖。
しょうがない、パーキングエリアでテントを張ろう。
隣の連中は、豪快にバーベキューをしていて、あたり一面に肉の焼けるいい匂いが広がってるけれど、あのぉ〜、大丈夫っスかね?
熊は来ないっスかね?
ここら辺、焼き肉屋さんみたいなんですけど…。
蚊が多いので、モスキートネット着用。
暖かくて、Tシャツで過ごす。
本日の走行距離、208mile(332.8km)。
本日、熊に出会うも相手にされず。
★2005年7月18日(月) [Arctic Circle→Galbraith Lake]
朝、がっかりするほどの雨。 雨の上がるのを待ってから、10時40分出発。気温18.4度。
Coldfootまでの60mileは、舗装道路で嬉しい。
自転車青年、青松君と出会う。
彼からハイカーが熊に殺された話を聞く!
今年は白熊が出てます!
やっぱり熊は危険じゃん。
でも青松君は、今までずぅーっと野宿で、全然学習してないじゃん。
彼はTシャツと短パンなのに、僕らは完全冬装備の靴下2枚重ねで、実は秘密だけども中にモスキートネットまで着こんでいる。
なんだか恥ずかしい…。
Coldfootで給油。 初めて予備タンクにガソリンを注入。
ここからがガソリンスタンドがないので、少々緊張する。
でもこのタンクの使い方がわからず、ガソリンがびちょびちょ漏れて悩む。
コーラとバナナとパンの質素な昼食。
13時30分、出発。
Wisemanの手前で、3.5kmのぬかるみ道あり。
Galbraith Lakeのキャンプ場が、本道から4mile(6.4km)も離れていて、しかも標識がないので、さっぱりわからずうろうろする。 夕食は、ご飯とラビオリの缶詰。
寝る前、ご指導に従い食料一切はフードロッカーへ収納。
熊が恐いので、風が吹くと鳴るように仕掛けた熊鈴を外にぶら下げて寝る。
が、鈴がチリンチリン鳴るだけでは心もとなく、朝方まで眠れなかった。
で、朝起きたらラビオリのべったりついた缶詰がテントの横に転がっていてビックリ。
危機一髪だったかも。
このキャンプ場は隠れるところが全然ないし、他のキャンパーは独り言を言うドイツ人ひとりだけだし、そんな彼がまた不気味で恐いし…。
けっこう寒い。蚊が激しく多い。
本日の走行距離、172.9mile(276.6km)。
熊鈴だけでは、夜は恐い!
★2005年7月19日(火) [Galbraith Lake→Deadhorse] 8時30分、出発。気温13.5度。
朝食はカップヌードル。
走りにくいガタガタ道を38mile(60.8km)走り、10時25分ごろ予備タンクのガソリンを給油。
7.1度と、あー寒い。
4年間走り回っているカナダ人チャリダーが、先週はずーっと雨だったってぼやいてた。
寒いけれど雨じゃないから、僕らは運がいいかもしれない。
後半、Deadhorseまでの道がほとんど舗装され ていて嬉しい。
13時50分、念願のDeadhorse到着。
ゴールでございます。
が、と、とても寒い。
ここから15時30分の超高いバスに乗り、Prudhoe Bayへ行く。
感動の北極海にタッチするけれ ど、水が汚くて悲しい。
そして、と、とにかく寒いッス。
Dead Horseに戻り、ガリンスタンドを探していて、フランス人のパスカルと出会う。
彼はアフリカを制覇してから、このアメリカ大陸へ。
キャンプの予定だったけれど、激寒なので一人90ドルと激高いホテルにしかたなくチャックインする。
パスカルも寒さに負けて同じホテルにチェックインし、一緒に夕食を食べ、コーヒーをガボガボ飲みながら、ケーキを食って談笑。
深夜までテレビ『Xファイル』を観る。
義裕、『峠(上)』を読み終える。
義裕、コーヒーの飲みすぎで、具合悪し。
本日の走行距離、150mile(240km)。
北極海の水は、悲しいほど汚い。
★2005年7月20日(水) [Deadhorse→Coldfoot] ビュッフェで朝食を食い、昼食分のカップめんとバナナをいただいて、9時出発。
気温2.8度で、こりゃ完全に冬である。
が走り出すと、どんどん気温が上がり、空は晴れ、以降とてもいい天気になる。
前半の50mile(80km)は、マックススピード65mile(104km)。
60mile地点から、再び舗装道路。
祐子がお腹を痛くして、
『とにかく急いで!』と絶叫する!
ど、どこに急ぐのよ!
祐子の悲鳴と同時にダート道が始まり、心身ともに疲れる。
写真を撮るため、路肩に停車したら、ずるずると路肩に引き込まれて バイクが転倒。
どうせ立て直すことができないので、トラックを止めて屈強なドライバーに助けてもらう。
ありがとう。
「うちのお父さんは、非力」と祐子が嘆く。
140mile(224km)地点で、予備タンクのガソリンを給油する。
17時、Coldfoot着。
ほどなく、パスカルも到着。
彼はこの先のArctic Circleでキャンプすると言っていたけれども、そのままここでテントを張る。案外、寂しがりやな彼。
仲良く夕食。
彼のポークステーキが美味しくて感動する。
さすがフランス人だよなぁ。
僕らは、スパゲティと見た目の悪いアスパラスープを提供する。
本日の走行距離、251.3mile(402km)。
油断大敵、路肩に注意しよう。
★2005年7月21日(木) [Coldfoot→Fairbanks] 9時30分出発。気温17.4度。
快晴。
FiveMileのガソリンスタンドは、機械が故障していて給油できず。
12時40分、YukonCrossingで給油。
ここで、韓国海苔が効いてて美味しいインスタントラーメンを作って食う。
17時30分、Fairbanksのスーパーに到着。
ビールと今晩の夕食の買出し。
パスカルを真似て、同じような香辛料を買うが美味しく焼けない。
どうしてだろう?
祐子とふたりで、北極海制覇おめでとうの乾杯をする。
本日の走行距離、273.2mile(437km)。
★2005年7月22日(金) [Fairbanks] 一日中、ラーメン作ったり、歯を磨いたり、本を読んだり、ネットをしたり、ホームページをまとめたり、スパゲティを作ったり、歯を磨いたり、洗濯したり、ビールを飲んだり。
もう一泊しようっと。
祐子、サングラスが壊れる。
★2005年7月23日(土) [Fairbanks]
祐子、バイクの洗車。義裕、読書。メガネ屋探し。北極海制覇のホームページ作り。夕食は、チキンのホイル焼き。これは野菜を入れすぎると、水が出て味が薄くなるよね。菊池君、どうだろうか。
だらだらと延泊決定。
★2005年7月24日(日) [Fairbanks→Tok]
11時35分出発。気温29.4度。
邪魔になったので、予備タンクのひとつをキャンプ場にプレゼントする。
Richardsonの手前のギフトショップで昼食。
15時、Delta Junctionで給油。
Tokで前回と同じキャンプ場にチェックイン。
夕食は、ポークのステーキと和風だしのスープ。
今日は終日、快晴。
速度65mile(104km)を保つ。
本日の走行距離、219.1mile(350.5km)。
★2005年7月25日(月) [Tok→Beaver Creek]10時40分出発。気温35度。
自転車でロサンゼルスに向かうマモル君に会う。
Beaver Creekでの再会を約束して別れる。
やがて国境越え。
3時、Beaver Creek到着。
ホームページを作りながらマモル君を待ち、落ち合ってから一緒にビールを飲んで夕食。
義裕は、ビール友達ができるととにかく嬉しい。
彼の唾液で巻かれた巻きタバコをご馳走になる。
ありがとう。久しぶりだよ煙草。美味しいよ。
彼もユーコン川のカヌー下りを計画していたので、敵ではないけれど呉越同舟作戦を立てる。
マモル君の悩みは、今日ボーダーでビザ免除プログラムを返却できなかったので、もうロサンゼルスに間に合わない事。
さぁ、どうするどうする。
食後、ときどき雨。
夜、ずいぶんと冷える。
本日の走行距離、117mile(187.2km)。
★2005年7月26日(火) [Beaver Creek→Haines Junction]11時30分出発。気温22.4度。
マモル君とホワイトホースでの再会を約束して、別れる。
少し寒い。
夕食は、牛肉にホールトマトとデミグラスソースの素を混ぜたシチュー。
キャンプ場の薪は豊富だけれども、すべて直径30センチくらいの丸太で、使いにくいッスよ。
本日の走行距離、193.8mile(310km)。
★2005年7月27日(水) [Hains Junction→White Horse]
寝坊する。12時出発。気温16.4度。
14時、White Horse着。
ケンタッキーで昼食。
アラスカハイウェイ沿いのRVパークにチェックイン。
ワイヤレスインターネットに惹かれたけれど、薪は5ドルと高すぎないかい?
深夜まで、ホームページ作り。
義裕、仕事が入る。
松好君が、僕が好きそうな日本のテレビを、DVDに録画してくれるといいなぁ。
…とメールする。
9月に青木さんから受け取れるし。
★2005年7月28日(木) [White Horse]
11時起床。
以前、ここのスーパーで買った『すき焼きの友』という名のうどんを食べる。
きし麺って事かな。
午後、ホームページ作りと仕事と読書。
買い物にダウンタウンへ。
★2005年7月29日(金) [White Horse]
祐子、終日ホームページ作り。
義裕、ダウンタウンへ夕食の買出し。
カレールーを探してスーパーのはしごをしているときに、ウシュアイアからデッドホースまで、90ccのカブで走ったナイスな男斉藤君(ノリ君)に会う。
彼は、偶然にもパスカルの知り合いである。
彼の泊まっているホステルへ行って、翌日釣りに連れて行ってもらう約束をする。
★2005年7月30日(土) [White Horse]午前中、釣り道具とフィッシングライセンスを買いに行く。
午後から、ノリ君と釣り。
残念ながら、湖では釣れず。
しかしユーコン川では、すぐに祐子がグレイリング(マス)をゲット。
でかした祐子!
カヌーイストのダーさんも続けて釣りあげる。
夕食に焼いて食ったら、美味かった。
夜、マモル君到着。
★2005年7月31日(日) [White Horse]
朝、寝坊。
カヌーピープルで、明日のカヌーの予約をする。
夕食は豪華なチキンのホイル焼き。
若いマモル君と一緒だと、食欲も旺盛になりますなぁ。
彼とビールが飲めて嬉しい義裕、夜遅くまで話込む。
深夜、祐子とふたりでオーロラを見る。